ギャッベは、ペルシャ語で"粗い(rough)"の意。 古代の昔から、イラン西部のザクロス山脈から南部ファース州の高原にかけて、遊牧民によって織り続けられている「毛足の長い絨毯」を指しています。
ふかふかでrough(ラフ)に織られたギャッベは本来は軽く、山岳や砂漠など、過酷な自然を旅する遊牧民にとって、移動に便利な敷物、夜具、時には寒い夜にロバや鶏など家畜を保護するカバーの役を果たします。※
(ペルシャ絨毯は普通ランクで1平方cmあたり90〜100ノット。ギャッベは10ノット)
ギャッベを織る遊牧民の民族は主に、北からペルシャ系最古の民族ルリ族、ルリから派生したバクティアリ族、トルコ系のカシュガイ族、アラブ系のハムセ連合の部族、北方トルコ系アフシャリ族などの人々で、その中でもカシュガイ族の生産量が最も多かったため、世界的に知られるようになりました。※
ロリバフは、その中のルリ族が織ったバフ(敷物)で、"ルリ族の敷物"という意味です。
ギャッベが市場に登場してから世界のニーズによって生まれたのがロリバフです。
ギャッベが市場に登場し、世界中で愛されるようになるにつれて、商品としてより完成されたギャッベを望む人が増えました。その結果、それまでの"ざっくり"編まれた素朴さが魅力だったギャッベを、倍以上緻密(1平方cmあたり80〜120ノット)に編み上げ、大変細かな模様を表現できるようになり、手触りも大変に滑らかに進化しました。これがギャッベの「ロリバフ」です。
当店で扱うギャッベは「ギャッベ」と「ロリバフ」の2つにしか分けていません。
ロリバフはもちろん目が細かく模様も美しい作品ですが、そのほかのギャッベも当店ではロリバフに負けない目の細かい繊細な作品を仕入れています。目の細かさでいうと、1平方cmあたり45ノットのものから60ノットですが、ギャッベとはいえロリバフを凌駕する作品もあります。
もしも、ロリバフだから良いものだ、という先入観があったとしたら、一度見方を変えてみて、シンプルに好きか嫌いか、心の目で作品を見てください。珠玉の作品ばかり取り揃えています。